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講習会レポート

学術講習会報告レポート Vol.5
2004年9月
触圧覚刺激法」
第1部は概論「触圧覚刺激法」として講義を、第2部は「触圧覚刺激法実技」肩関節・足関節の可動域改善として実技が行われた。
第1部 概論「触圧覚刺激法」
「触圧覚刺激法」とは
◆関節可動域の維持・拡大を図るときに、あらかじめ患者の皮膚上にセラピストの指を触れておくと可動域を制限していた筋の緊張が緩み可動域が増大する。この手法を「触圧覚刺激法」という。
◆触診では、毛、表皮、真皮、皮下組織、筋膜、筋、と表層から深部まで評価する。まず表層から、表皮に直接触れることなく表皮に付属する毛に触れる。次に皮膚の表面に接するように触れると表皮に触れることになる。表皮を表面が少しひずむように押すと真皮の弾力性を感じることができる。この時点が触圧覚点で、治療の対象として直接操作する皮膚受容器であり「メルケル触盤」である。
◆受容器は特定の圧力に応じて反応するようになっているので、入力すべき適切な圧を加えることに注意を払う必要がある。加圧量は表在知覚を対象としているため、強い圧力をかけ筋膜や筋へ到達するような刺激を加えると、効果が半減あるいはなくなってしまう。
◆刺激法では関節周 囲部位に刺激を加 えることで筋スパ ズムを減少させて 関節可動域を改善 させる。よって、筋スパズムを改善することなしに関節運動を 続けてはいけない。 正常な関節を操作すべきである。


以上のことを踏まえた上で次の評価手順をおって手技に臨んでいただきたい。
刺激入力部位の評価手順
@ 求心性神経の障害部位の特定
A 刺激部位の皮膚の状態観察
  ◆腫脹の有無  ◆浮腫の有無  ◆外傷の有無  ◆皮膚への触診による発汗の有無
  ◆皮膚への触診による緊張  ◆皮膚への触診による局所熱感部位の有無
B 触圧覚刺激による感覚異常の有無
操作部位の評価手順
@ 関節可動域の制限(制限方向の特定・クリックの有無)
A 操作関節の皮膚の観察
  ◆関節包の硬さ(例:前壁障害・後壁障害など)
  ◆関節の動揺性の有無 (靭帯損傷の有無)  ◆皮膚緊張(硬化・弾性・弛緩)
B 他動運動痛の有無と疼痛出現の位置
C 自動運動痛の有無と疼痛出現の位置
D 筋への触診による緊張筋あるいは短縮筋の特定
E @〜Dの情報に基づいて評価した筋連結による障害の有無
F Eの情報による連動関節の運動異常の有無
適応
四肢関節の骨折に対する固定後の関節可動域制限、人工骨頭置換術や人工関節あるいは人工靭帯の術後早期の筋スパズムによる可動域制限、急性・慢性腰痛、肩関節周囲炎、慢性関節リウマチ、拘束性肺疾患、脳血管障害の知覚障害が比較的軽度の不全片麻痺、バネ指、脊髄損傷の障害境界部位の絞縛感や筋スパズムなど。
禁忌
急性期の外傷の皮膚や火傷を負った皮膚の部分、脳血管障害により高度の知覚障害を伴う片麻痺、脊髄損傷の完全対麻痺や四肢麻痺、知覚の認知が形成していない重度脳性麻痺、慢性期の外傷による知覚脱出部分や火傷後の瘢痕性皮膚や皮膚移植部分などが挙げられる。
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第2部 「触圧覚刺激法実技」肩関節・足関節の可動域改善
肩関節
屈 曲 
@腋窩部。広背筋線維より腹側へ1-2横指の部位。屈曲時に上腕骨頭が触れる部位。
A腹側より接し頭尾方向へ水平に歪ませる。
B背臥位。肩関節軽度屈曲位。

外 転 
@広背筋と三角筋と肩甲骨外縁に囲まれた部位。
A外側より接し頭尾方向へ水平に歪ませる。
B背臥位。肩関節軽度外転位。

伸 展
@a.三角筋前部線維上。上腕骨頭中心よりやや頭位。鎖骨よりやや尾位。
  b.広背筋と三角筋後部線維と肩甲骨外縁に囲まれた部位。
Aa.腹側より接し尾頭方向へ水平に歪ませる。   b.背側より接する。
B背臥位。または腹臥位。

外 旋
@三角筋前部線維上。上腕骨頭よりやや頭位。鎖骨よりやや尾位。
A腹側より接し頭尾方向へ水平に歪ませる。
B背臥位。肩関節外転位。なお治療練習には外転90度で行うと反応を得やすい。

内 旋
@a.三角筋前部線維上。上腕骨頭よりやや尾位。
  b.広背筋と三角筋後部線維と肩甲骨外縁に囲まれた部位。
Aa.腹側より接し頭尾方向へ水平に歪ませる。  b.背側より接する。
B背臥位。肩関節外転位。なお治療練習には外転90度で行うと反応を得やすい。

足関節
背 屈
@内果外果前後部。
A内果外果の前部より腹背方向と内果外果の後部より背腹方向に挟み込むようにする。 
B背臥位。

関節運動の方向に対する刺激部位と刺激方向のタイミングが重要である。関節運動は自動・他動を問わない。そして、ゆっくりと動かすようにと解説していただき、実技指導を終えた。