
チラシや案内を作ったり、ホームページやブログをアップしている先生も多いかと思います。
記事を作る際に本や論文などを引用したり、素晴らしい写真なのでそのまま掲載したいと思うことがあるかもしれません。
こういったときに注意しなければならないのが「著作権」です。
きちんと守らないと即刑務所行きもあり得るのが「著作権侵害」なのです。
著作権とは?
著作権は、著作物を創造した著作者にかかる権利です。
ごく簡単にいうと、何かを作ったときにそれを作った人に与えられる権利です。
著作者には、2つの権利が認められています。
- いつどのように公表するか、名前を載せるか、タイトルや内容を勝手に変えられない、といった権利
- 複製、上演や演奏、上映、放送、口頭で伝える、展示、販売、貸与、譲渡、翻訳、翻案、二次利用、といった権利
著作物とは?
著作物は人のマネをせずに創作的に表現されていれば、上手い下手に限らず権利が発生します。
ですから、最近何かと話題の「音楽」や「小説」「絵画」「写真」はもちろん、建物や地図、事典や新聞にも権利が認められています。
そしてこの記事を含む「インターネット上の表現」にも認められます。
特に手続きは必要ないので、世に出た時点で権利が発生します。
世の中に公開されているものには大体のものに著作権があると思っても過言ではありません。
ただし憲法や法令、通達、判決など著作権がないものもあります。
無断で使うと……
著作権がある著作物を著作者の許可を得ないで無断で使うと著作権の侵害になります。
そして、著作権を侵害していると知っていながらその著作物を譲渡や貸与をすることも侵害になります。
いきなり「実刑判決→刑務所」も
まず著作権の侵害は犯罪です。
ですから侵害された著作権者が刑事告訴すれば罰せられます。
最高で10年以下の懲役か1,000万円以下の罰金です。
日本の裁判所は著作権侵害にとても厳しく、初犯でも懲役5年となったケースもあります。
懲役5年は執行猶予がつきませんので、即収監という可能性があることを覚えておいてください。
併せて民事での裁判になってしまった場合、侵害行為をやめる、損害賠償請求、これで得た利得の返還、謝罪広告を請求されることになります。
具体的にはどうすれば?
「引用」する
引用するのであれば、許可なしに本や論文の一部をそのまま使うことができます。
引用にはルールがあり、
- すでに公表されているもの
- 引用部分がはっきりと区別されている(「」や“”で区切る)
- 引用部分が主体になっていない(本文10%、引用90%はアウト)
- 引用しなければならない理由がある
- 引用元を明記している
となっています。
また著作権には「勝手に変えられない権利」があるので、「そのまま使わなければならない」が正解です。
「参考」「参照」する
参考や参照することに明確なルールはありません。
ただし参考元・参照元は明記しておきましょう。
そして、内容をそのまま全部使ったり、語尾などを少しだけ変えただけというのは著作権の侵害になります。
許可を取る
一番確実で安全な方法で、著作権者の許可があれば使用できます。
素材サイトから購入する場合は使用できる範囲を確認してから使用しましょう。
著作権フリーのものを使う
インターネット上には様々な著作権フリーがあります。
日本の場合、著作権は放棄しておらず、利用者が利用規約を守るのであれば使用できるケースが多いです。
「要約」はアウト
『「引用」する』にあるように、著作権には「勝手に変えられない権利」があります。
ですから、許可なく要約することは著作権の侵害になります。
トラブルになったら
写真や文書の無断使用だと訴えられた場合、誠実な対応を行う必要があります。
こういったクレームは、相手も感情的になっていることが多く謝罪と削除で治まることが多いようです。
また場合によりますが、損害賠償請求をしても額が小さく費用倒れになるため、クレームをつける側もメリットはないというのが実状です。
ただし刑事告訴されれば刑事罰が待っています。
患者さんの声も著作物
患者さんに書いてもらう「患者さんの声」も著作物です。
先生がご自身の判断で加筆・修正すると著作権の侵害になります。
例えば誤字・脱字を修正することもアウトですので、「誤字・脱字は修正します」と書いておきましょう。
加筆して良いイメージを加えたくなる気持ちはわかりますが、絶対にやめてください。
HP上に掲載している場合、発覚したときにはインターネット上での炎上のきっかけになってしまいます。
音楽著作権について
音楽著作権、JASRACについてはこちらをご確認ください。
⇛整骨院で流すBGM(背景音楽)は、著作権法にふれるの?