柔整審査会の権限強化へ -厚労省通知発出9/4-

9月4日付けで厚生労働省から4通知が発出された(10月1日から適用)。
その内容は柔整審査会の権限強化にかなり踏み込んだものになっている。今まで保険者のみの権限だった調査を、これからは審査会も行えるようになる。審査会の権限強化はこれまで何度も専門委員会の議案にあがり、その内容が今回の通知に反映されている模様だ。

全柔協ではこの通知に関する情報を、メール・文書等で組合員には既に周知しているが、改めて以下に主な改正点と条文を列記する。
(<新設>は青字、太字が追加事項)

①通院履歴の提示及び閲覧
 「地方厚生(支)局長及び都道府県知事との協定及び契約又は関係通知等により、保険者等又は柔整審査会から、療養費の請求内容に不正又は著しい不当があるかどうか確認するために施術の事実等を確認する必要がある場合に領収証の発行履歴や来院簿その他通院の履歴が分かる資料の提示及び閲覧を求められた場合は、速やかに応じること。」
<新設>(柔道整復師の施術に係る算定基準の実施上の留意事項)

(解説)
通院の履歴が分かる資料といえば施術録だが、ここでは領収証の発行履歴や来院簿にとどまっており、実際に提示を求められると対応も必要になる。しかし審査会自体は各都道府県で構成や審査基準に大きな格差があり、権限だけが一律に強化されることは大いに問題がある。

厚労省より通知された領収証の発行履歴とは?

②個別指導の選定と監査方法
 「柔道整復療養費審査委員会又は保険者から、不正又は著しい不当の事実が認められた請求として、客観的な証拠があるものが複数患者分あるもの、あるいは、患者調査等の結果、不正請求の疑いが強いものが複数患者分(概ね10人の患者分あることが望ましい)あるものの情報提供があった柔道整復師を優先的に選定する。」<新設>
 「地方厚生(支)局長及び都道府県知事は、次の①から③に該当する場合は、当該柔道整復師に対し、監査を実施する。なお、①又は③に該当する場合は、4(3)(注:個別指導のこと)を省略して差し支えない。

①柔道整復師による療養費の請求内容が不正又は著しい不当なものであるとの疑義を認める場合。
②(略)
③柔道整復療養費審査委員会又は保険者から、不正又は著しい不当の事実が認められた請求として、客観的な証拠があるものが複数患者分の情報提供があり、証拠がそろっている場合。」
(柔道整復師の施術に係る療養費の指導監査要綱)

③重点審査項目に「部位転がし」追加
 「(前略)施術所ごと又は請求団体ごとに3部位以上の施術、3ケ月を超える施術、月10回以上の施術、同一施術所における同一患者の負傷と治癒等を繰り返す施術、いわゆる「部位転がし」等の傾向があるものを分析するなど、重点的に審査するものとする。」
「なお、審査は、以下の審査を組み合わせて行うこととする。」

 (1)形式審査:記載内容に関する事項
     (支給申請書の記載誤り等)
 (2)内容審査:施術内容に関する事項
     (支給対象者の具体的な負傷名、近接部位の考え方等)
 (3)傾向審査・縦覧点検:同一施術所における施術傾向
     (多部位・長期・頻回施術の傾向、いわゆる「部位転がし」の傾向、同一施術所における同一患者の通算受療期間の傾向等)」
(柔道整復療養費審査委員会の審査要項)

④広告・紹介料
 「(前略)健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益の提供又は違法な広告により、患者が自己の施術所において施術を受けるように誘引してはならないこと。
 さらに、施術所が、集合住宅・施設の事業者等に対して金品(いわゆる紹介料)を提供し、患者の紹介を受け、その結果なされた施術については、療養費支給の対象外とすること。

整骨院の広告作成で気を付けること

⑤施術録の記載
 「開設者及び施術管理者は、受領委任に係る施術に関する施術録をその他の施術録と区別して整理し、施術管理者及び勤務する柔道整復師が患者に施術を行った場合は、当該施術に関し、必要な事項を受領委任に係る施術に関する施術録に遅滞なく記載させるとともに、施術が完結した日から5年間保存すること。」(④⑤は受領委任の取扱規程)

(解説)
「患者に施術を行った場合」がわざわざ追加されており、実体の伴わない施術録は無効であるということを改めて強調する内容になっている。

カルテの記載・整備事項

また通知の別箇所では保険者に対しても、調査の結果不支給にするのであれば、患者に不支給決定通知をするなど適正な処理を求めている。
全柔協が大阪市を相手に勝訴した相殺処理問題が通知にも反映されているようである。
(全柔協事務局だより304号より)


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