
宣伝や広告でよく見る「※○○に限る」や「あくまで個人の感想です」という、いわゆる「打ち消し表示」について、消費者庁は表示されていても景品表示法違反になる可能性を公表しました。
例えば、打ち消し表示が
- 文字が小さい
- 背景との区別がつかない
- 離れた場所にある
- 専門用語
- 明確でない
など、広告を見た人がきちんと認識できないと考えられる場合が挙げられています。
そもそもこうした「例外」や「条件」に気が付かなかったり、読まない割合が97%にもなる場合があることから公表された経緯があります。
具体例
- 文字が小さい
- 背景に溶け込んでいる
- 書かれている場所が遠すぎる
- 専門用語
- 何についてなのかわからない
「体験談」や「声」でも要注意
体験談や患者の声などをウェブサイトや広告に使うことが効果的といわれますが、体験談を読んだ人は「だいたいの人に効果がある」と思いがちです。
ですから「あくまで個人の感想です」といった文言を載せていたとしても、読みにくい大きさや場所では違法になる可能性があります。
また、体験談から良い印象の部分しか見られないようにしたり、内容にウソ・大げさな表現がある場合は違法性が高いです。
そして効果のない人が多数になる場合、「個人の感想です」と書かれていても違法になる場合もあります。
体験談や患者の声で誤解を与えないようにするには、全体数、同じような効果があった割合、効果がなかった割合などをわかりやすく表示する必要があります。
どうすればいい?
消費者庁は、広告を見る人は「例外」「条件」「個人の感想」は見ないものとして、こういったことを書かなくても良いような広告をするべき、としています。
今できる対応策としてはこういった打ち消し表示を掲載している場合、
- 小さすぎないか
- 背景に溶け込んでいないか
- 離れすぎていないか
- 意味は伝わるか
- 全員に効果があると思われないか
といったことを見直してみましょう。
参考:
広告:「例外」「条件」の注意書きに気付かず97% – 毎日新聞
患者体験談は禁止に?
現在、厚生労働省で議論されている医療広告の新ガイドライン。
この中で、患者体験談のHPへの掲載を禁止する旨の内容が盛り込まれています。
しかしながらこの新ガイドラインはあくまで医療法に基づくものであり、接骨院・鍼灸院には適用されません。
今のところ、引き続き患者さんの声の掲載はできることになります。
ただこの新ガイドラインの議論の中で、景品表示法違反の可能性があるために禁止に至ったことは明らかです。
やはり消費者庁の言うとおり、「個人の感想です」といったことを書かずに済む手段を考えておくことも今後は必要になるかもしれません。