全国柔整鍼灸協同組合

「広告の制限」の取り扱いについて

柔道整復師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の施術所が広告を出すときに、気を付ける必要がある「広告の制限」。
広告できる内容は、柔道整復師法やあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律によって制限されています。誰が作成したとしても広告物は全て発行した施術所の責任になります。
その広告の制限の現状とその問題点、今後予想される広告指導、そして当組合の広告に対する基本的な考えを提示します。

広告規制の現状

近年、保健所の広告指導が厳しくなっており、行き過ぎた表示である「交通事故専門」、「むちうち専門治療」、「肩こり治療」、「腰痛症治療」等だけでなく、広告の制限の法律に掲げる事項以外は一切認めないという指導が開始され、全国に広まっています。
例えば、「各種保険取扱」の表現や病院では認められている「外観やスタッフの写真」も注意を受ける対象になっています。そのため、実際はほとんど広告できないのが現状です。

柔整・あはきの広告をめぐって、厚労省で「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」が行われています。この検討会で広告のガイドラインが作成され、ルール化される予定です。
議論の詳細は「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会・議事録まとめ」(組合員限定)でご確認ください。

「骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷」や「各種保険取扱」も広告できない?

「骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷」は法律の広告できる事項にないので、チラシや看板等に書くことはできません。
同様に、「各種保険取扱」という表現も、広告し得る事項に「医療保険療養費支給申請ができる旨」という記載はありますが、「各種保険取扱」という表現は法律にないため、注意を受けることがあるようです。

しかし、少なくとも柔道整復施術として保険で認められている「骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷(肉離れ)」と「各種保険取扱」は事実の告知として認められてもいいのではないでしょうか。

広告の定義は
1. 患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)
2. 医業や医業類似行為を提供する者の氏名や名称、病院・施術所の名称が特定可能であること(特定性)
3. 一般人が認知できる状態にあること(認知性)

となっており、上記1~3のいずれの要件も満たす場合に、広告に該当するものと判断されます。
このことからも、「骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷」や「各種保険取扱い」の記載は、広告の定義に当てはまらず、虚偽及び誇大広告に繋がるとは考えられません。

柔道整復師が行う捻挫・打撲等の施術は、厚生労働省が施術対象として認めています。実際に行っている事実を告知しているに過ぎないものまで、「削除」という指導に従ったなら、患者に「実はやってはいけないものだったのかな」という誤解を生じさせることにもつながります。
また、施術所の外観やスタッフの写真なども同様で、広告の定義には当てはまらず、虚偽及び誇大広告に繋がるとは考えられません。

広告指導さらに厳しく

前述のとおり、数年前からチラシや看板等の広告指導が厳しくなっています。
今後、保健所の担当者は、広告内容が法令等で制限されていることを前面に押し出して、一定事項(名称、所在地、電話番号、施術時間等のみ)しか広告してはいけないことを強調し、施術所に赴いて強制的な指導を開始することが予想されます。
法律を守ることはもちろんですが、「骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷」や「各種保険取扱い」の表記、外観やスタッフの写真などは、広告の定義に当てはまらないことを一施術者・団体が主張していくことも大切です。

接骨院の広告を出しましょう

広告規制の指導は、今後も続くものと思われます。しかし、接骨院・鍼灸院にとって、施術所を知ってもらうためには広告は欠かせません。
今のところ、チラシには基本情報しか掲載できませんが、「認知度を上げる」「ホームページ検索につなげる」という効果があります。
また、ホームページは広告の制限外なので、院の特徴や施術内容など、チラシには掲載できない詳しい内容を掲載できます。
広告規制のなかでも、広告の種類を用途で使い分けることで、効果的に施術所をアピールできるので、まずはできることから始めましょう。

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